可睡の杜レディースクリニック
☎  0538−49−5656
 

 

診療について

妊娠を望むカップルが性交渉を十分もっているにも拘わらず一定期間妊娠しないと検査や治療の必要性が出てきます。およそ7組に1組が不妊症と考えられています。近年は結婚年齢の高くなっていること、多忙で十分な余裕が持てなくなったという社会的要因もあり、ますます妊活しにくい環境になって来ています。
年齢が35才以上、排卵障害、月経痛が強い、子宮内膜症既往、クラミジアや淋菌感染既往、性交障害の方は早めの受診をおすすめします。
 
当院では不妊スクリーニング検査(精液検査、月経中のホルモン検査、クラミジア検査、通水検査、フーナーテスト、黄体ホルモン検査)、自費検査(AMH、抗精子不動化抗体、風疹、Vitamin D)などを行っていきます。不妊原因になるものとしては、乏精子症、精子無力症、射精障害、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、卵管閉塞、卵管水腫、卵管癒着、抗精子不動化抗体などが挙げられますが、検査では特定できないこともしばしばあります。
 
治療は、タイミング法、排卵誘発(クロミッド、レトロゾール、FSH製剤投与)、人工授精などの一般不妊治療を行います。2004年から行ってきた体外受精は202312月を以て終了しますのでステップアップされる場合には体外受精認定施設へご紹介させていただきます。生殖専門医の経験を少しでも生かして一般不妊治療にも反映させたいと思います。
初診の方は月経周期のいつのタイミングでいらしていただいても結構です。基礎体温を付けてきていただくと診療の参考になります。男性で精液検査のみ希望の方でもいらして下さって結構です。
 

(10月23日)  
 
月経に関する悩み                 
 

月経(生理)とは、周期的に起こる子宮からの出血をいいます。これは、卵巣からの女性ホルモンがきちんと周期的に分泌され、子宮内膜が出血を伴って剥がれ排泄される現象で常に妊娠に備えられるようになっていることを意味します。
しかし、このような卵巣ホルモンの変化に初経後から閉経まで悩まされることもしばしば起こってきます。
月経痛は、思春期から始まる症状で頻度の高いものです。およそ45人に1人が何らかの月経痛に悩んでいるといわれています。日常生活に影響すると医学的には月経困難症となります。月経痛は、伝えにくく、誰でも当たり前のこと・・・そんな風に思うことはありませんか。悩んでも我慢している方が多いのでは思われます。子宮内膜症が隠れているかもしれません。
 
更に月経前になるとイライラする、気分が落ち込む、お腹が痛くなる、胸が張るといったような症状でストレスとなっていることはありませんか。これは、月経前症候群(PMS)月経前気分不快気分障害(PMDD)といってしっかりした月経がくる方にしばしば見られるものです。肌荒れやニキビが卵巣ホルモンによることもあります。
 
 また、月経に晒されることで女性は貧血になっていることがあります。健診で貧血を指摘された、疲れやすい、階段をのぼると息が切れる、月経量が増えたというようなことがあればご相談ください。子宮筋腫子宮腺筋症などが原因となっていることもあります。
 
次に初経後に起こりやすいのが月経不順です。月経の間隔が2ヶ月以上あいてしまう、逆に20日もしないうちに次の月経がきてしまうというような排卵が起こりにくい、または起こっていないことが考えられます。月経不順には、疲労、ダイエット、ストレスによるホルモンの乱れが関与したり、多嚢胞性卵巣症候群高プロラクチン血症、甲状腺機能異常などが隠れていることがあります。更年期になると月経不順が起こりやすくなります。
 
これらの心身に影響する状況は、初経後の早くから見られるものです。ひとりで我慢して悩まずにお気軽にご相談ください。

(10月23日)

  原稿待ち

  
閉経前後5年の10年間を更年期と呼びます。平均的に50才で閉経しますので4555才が更年期に当てはまります。この時期に女性ホルモン不足による更年期症状が起こる可能性があります。
 
のぼせ、ほてり、汗が止まらない、手足や腰が冷える、動悸息切れがする、眠れない、いらいらする、くよくよする、憂鬱になる、頭痛、めまい、吐き気、疲れやすい、手足の関節痛、肩こり,腰痛。
 
症状は多岐にわたり、この中でのぼせ、ほてりといったいわゆるホットフラッシュは、まずホルモン不足と考えられますが、他の症状は循環器疾患、耳鼻科疾患、うつ病、整形外科疾患などが原因となっていることがありますので他に病気がないか、先に検査をされることをおすすめします。
 
更年期障害は、ホルモン不足に加えて仕事や家族関係など環境要因、心理的な要因が関連しあっていると考えられます。誰にでも訪れる更年期ですが、正しく理解し、上手に付き合っていくことが大切です。気になることがあれば、一度ご相談ください。

(10月23日)

低用量ピルとは、経口避妊薬とも呼ばれ月経や妊娠をコントロールできます。ごくわずかな卵胞ホルモンと黄体ホルモンが成分です。このため以前よりも副作用が少なくなり、一般に広く使用されるようになりました。
避妊目的の印象がありますが、月経困難症や月経前緊張症候群(PMS)、月経前気分不快障害(PMDD)といった月経に伴う症状の改善にも有効です。OC(oral contraceptive)と略して呼ばれることもあります。
 
低用量ピルの効果
 
・避妊:ピルは内服すると排卵を抑制し、子宮内膜を着床しにくい状態に変えます。また、精子も子宮に進入しにくくなり,高い避妊効果を得ることが出来ます。
 
・月経痛の改善:ピルの内服により、月経量が減りますので経血を体外に排出させるために起こる子宮収縮が弱まり、痛みも緩和されます。月経困難症に対しての保険適応の低用量ピルがあります。
 
・月経前症候群の改善:月経開始数日前から、腹痛、頭痛、気分の浮き沈み、苛立ちといった様々な症状が起こることがありますが、これらは自然排卵による卵胞ホルモンと黄体ホルモンが分泌されているからです。ピルを服用するとこれらのホルモンは抑えられますので症状は改善します。
 
・それ以外にも月経周期の調整、子宮内膜症の予防や改善効果、時に肌荒れやニキビに有効なこともあります。
   
避妊など自費診療となる低用量ピルとして、当院ではラベルフィーユ28ファボアール28を取り扱っています。
内服方法は1シート28錠となり、月経開始とともに毎日1錠内服していただきます。21日間実薬で7日間プラセーボですのでこの最後の7日間で月経が起こります。1シート飲み終わりましたら次のシートを開始してください。
 
副作用として、内服を始めた頃に吐き気や出血などが起こることがありますが、一過性のことが多く続けていただくと改善されていきます。また、稀ながら血栓症が挙げられ、リスクが高いと判断されて使用出来ないことがあります。

 
『避妊しなかった』或いは『避妊に失敗してしまった』時に望まない妊娠を避けるために行うのが緊急避妊法です。
当院では、緊急避妊薬であるレボノルゲストレルを取り扱っています。性行為の後、72時間以内に内服することで高い避妊効果が期待できます。また、性交渉後から服用までの時間が短い方が避妊効果はより高まります。排卵期の性交で妊娠を防ぐ確率を妊娠阻止率と言いますが、レボノルゲストレルは85%です。