当院の治療成績


これから少しずつ掲載していきます。まだ順不同です。

1.AIH回数別・累積妊娠率



*AIHとはArtificial Insemination with Husbandの略で、人工授精のことです。
*人工という言葉から、勘違いされる方もありますが、体外受精が身近となっている現代では実は決して人工的なものではありません。
*奥さんの排卵日に合わせてご主人に精液を採取していただき、これを洗浄、受精能力のある精子を選別し先端がスポイトのような注射器で子宮内腔に注入します。
*これにより自然性交に比べて桁外れの精子が子宮に入るため、卵子に到達できる精子が増えます。自然性交では、卵子に到達できる精子がいなかったり、不十分なために妊娠できなかった不妊の方では妊娠可能となります。
*ただし、これ以外に不妊原因は幾多とあるためにAIHの妊娠率は1回で8%程度、回を重ねても20〜30%止まりです。AIHだけで出産に到れるのは、おおよそ4組に1組です。




2.IVF累積妊娠率


3.凍結融解胚移植 年齢別妊娠率


資料は、H27年度(2015年度)H28年度(2016年度)に行った移植周期あたりの検討です。
25歳から40歳以上までの方を4つに区切って検討しました。
盛りだくさんの粗データなので、一見しただけでは、ややわかりにくいかと思われます。
以下に、簡単に解説いたします。


H27年(2015年) 凍結融解胚移植の年齢別妊娠率


*H27年のデータについてかんたんに数字の読み方をご説明いたします。
*これは不妊治療の中で、体外授精に至ったケースについてのその後のデータです。
*体外授精にはconventional IVFとICSI(顕微授精)とがありますが、これは両者を合わせた数字です。
*左上の表で、平均とある欄は平均でなくて合計です。
合計のnは326 件です。nは患者様の人数です。合計の採卵件数は、全体で309件です。この両者の違いについて、まず、ご説明いたします。
*一人の患者様について、一回採卵すると、複数の卵が採取できます。その数は、平均で5−7個です。
*しかし、すべての卵が受精可能ではありません。conventional IVFにせよ、ICSIにせよ、一部の卵が受精するのですが(およそ75%が受精します)、受精できた卵をインキュベーターの中で培養してゆき胚盤胞に至るまで待つことになります。
この中で胚盤胞に至れた受精卵(およそ2/3です)は、全例凍結になります。
凍結した受精卵は、1ヶ月半ほど経過したのち(中には、希望されて約半年後の方もありますが)、そのうちの1個が融解胚移植されます。(年齢が高い、あるいは何度も不成功だった過去がある方については、2個まで許容されます。)
採卵から融解胚移植に至るまで、上記のようなステップがあるのですが、この過程を経て、326件の患者様→→→309件の融解胚移植になるわけです。

*右上の表の枠外、右下に、出産率(患者あたり)49.55%とあります。この数字について、ご説明申し上げます。
*一人の患者様から、複数個を採卵したのち(年度内に複数回採卵する方もあります)、上記のような過程を経て受精卵は胚盤胞となり、凍結され、次に融解胚移植にいたるのですが(複数回移植される方もあります)、移植後には更に次の過程を経ることになります。
まず、hCG(+)になります。
次に超音波で胎嚢(GS)が確認できるようになります。この時点で臨床妊娠とされます。
次に、児心拍(FHB)も確認できるようになり、その児心拍が8Wになってもみえる、この段階で、産科に紹介となります。
一人の患者様が、上記のよな過程を経て、最終的に分娩に至る確率が、49.55% となるということです。

*この図における臨床流産率についてご説明します。
*臨床流産率33%は、分母はhCG(+)の176件。分子はそのうち8W後には児心拍が見えなくなったもの、176-118=58件です。つまり妊娠検査薬で妊娠(+)だったのに、8週まで妊娠を継続できなかった率です。
(臨床流産率としてしまいましたが、単なる流産率です。後日訂正いたします。)

H28年(2016年) 凍結融解胚移植の年齢別妊娠率